本流を渡渉して対岸の支流に入る。
正面の落ち込みの手前にプールがあって、落ち込みの先の流れは左に大きくカーブしているので
本流出会いからは少し先を見通すことが出来ない。
帽子の上には夏の乾いた空があって、両岸が切り立った低い崖の中を流れが走っている。
崖は一部が苔に覆われている。
集中して流れを追っていると寝不足の頭の中に一点の氷の粒があることが解かる。
氷の粒を通過する細い光の筋が空に突き抜ける感覚。
そしていつの間にか細い光の筋の末端が腕とロッドを通しティペットに繋がっていて、その先に魚信があった。
その間も音楽は鳴り続けリピートしている。