月別アーカイブ: 2011年1月

町田康 「告白」

町田康 「告白」 中央公論新社(2005年)のち文庫 ISBN 4120036219

私にとっては町田康、というより町田町蔵といったほうが馴染み深い。
高校生の時聞いたINU「メシ喰うな!」は、まっ黄色ジャケットのデザインも相まって
かなりのインパクトがあった。
パンクの態をなしていたが、本質はスマートなロック、町蔵の類稀な言葉感覚と
北田昌宏の上質なフレーズが素晴らしいバランスを保っている。
しかしデビュー作から大変な完成度を誇った作品を創った町蔵は
すぐさま当時の私には理解できない領域に行ってしまった。
多分ロックスターにはなりたくなかったのだろう。
次に、私が彼の作品を手に取ったのは詩集「供花(くうげ)」だった。
その後はスラップスティックで私小説的な作品を幾つか発表し、芥川賞を受賞した。少し驚いた。
正直、受賞作「きれぎれ」等は楽しみ方が判らず(?)さらっと読んだだけだったのでしばらく彼の事を忘れていたのだが、最近になって朝日新聞ゼロ年代の50冊に「告白」が2位で選ばれているという記事をみて読んでみたのだ。
うーん、スゴイ。パンクロッカー町蔵にこれほどの文章表現力と構成力があったなんて。

参考サイト:http://homepage.mac.com/mfukuda2/iken71/iken71.html

アメリカの竹竿職人たち

アメリカの竹竿職人たち―アメリカン・バンブー・ロッド工房探訪記: 阪東幸成著
10年前に出版されたこの本は今では中々手に入れることができません、
ヤフオクで探してもめったに出品されておらず、しかたがないので定価の5倍!の値が付けられているアマゾンで 泣く泣く購入しました。
しかし、高かったけど購入して良かったと心から思える素晴らしい本です。マジすばらしい。
著者の阪東幸成さんという方のプロフィールを拝見すると会社員となっていますが、
この方の文章力はかなりのものです、その辺のルポライターレベルを超えています、すっかり引き込まれました。
そして掲載されている写真がまたいい。ビルダーの表情や風景カットなども完ぺき、 これも著者の手によるものだというから驚きです。
追記:フライの雑誌**号 バックナンバーに2000年JFF総会での阪東幸成の講演を編集したかたちで「アメリカの竹竿職人たち」
執筆の裏話が掲載されていました。阪東氏は富士ゼロックスで営業職をされていたとのこと。

アメリカの竹竿職人たち―アメリカン・バンブー・ロッド工房探訪記

アメリカの竹竿職人

Baby it’s you / Smith

正月にInterFM聞いていてグッと来た一曲。
80年代イギリスのゲイっぽい動きのボーカルがいるThe Smithsとは同名異バンド。
69年ごろから70年代初頭にかけて活躍したウェストコーストのR&BバンドSmith、
曲はビートルズがカバーして有名なあの曲、元はアメリカの女性R&Bコーラス・グループ、
シレルズの1962年のヒット曲だそうな。

YouTube の音源ではリズム隊が貧弱に感じて私がグッときた部分が判らないので
是非CDで聞いて欲しい。本ちゃんはリズムがグングン突っ込んで来るアレンジで
秀逸、映像ではバスドラがツインに見える?!、70年代初期では珍しいのでは?

金澤バンブーロッドについて

金澤バンブーロッド
7ft 3pc トンキン ノードレス 82g
昨シーズンは殆どをこのロッドで通した。一番気に入っているロッド。

製作者のUさんとはまだお会いしたことはない、
ネットを通じたお付き合いをさせてもらっているだけ。
私の要望をお伝えして製作していただいた、私にとっても初めてのオーダーメイドのロッド。
そういった思い入れを抜きにして一番使いやすいロッドに仕上がっている。

私がこのロッドを製作していただくときに望んでいた要件(イメージ)は
ミディアムスローなアクションでかつコントロールも出来てそこそこ飛ばせるといった大変わがままなもの。
ところがこいつはほぼパーフェクトに要望を満たしている逸品、
このロッドのおかげで私自身もフライフィッシャーとして一段上のステージが覗けた気がしている。
今年は同系のテーパーで#4 7’6″をオーダーするつもりだ。